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水産開発事業の企画・運営・技術者派遣・研修業務/株式会社国際水産技術開発
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コスタリカ共和国
コスタリカ国、ニコヤ湾持続的漁業管理計画
JICA技術協力:2002年〜2007年

JICAによるプロジェクトタイプ技術協力として、ニコヤ湾持続的漁業管理計画がコスタリカ国において、2002年10月 1日〜2007年9月30日の期間で実施されました。このプロジェクトはプロジェクトリーダー、調整員、資源管理分野専門家、品質管理分野専門家の4名の長期専門家と多数の短期専門家が従事してコスタリカ国ナショナル大学と水産局の研究者への技術移転を目的に実施され、その中で、私は資源管理分野をプロジェクト期間の5年間通して担当しました。

資源管理分野の各活動項目は次の通りです。

1.漁業現状調査
漁船調査(ニコヤ湾内)、漁業活動状況調査、漁業経済(固定費用、変動費用、収益)調査。

2.生物学的特性値の調査研究
種の査定、成熟度の観察、耳石研究、標本(体部位)測定手法、標識放流試験、水揚げ場における対象魚種の体長組成調査、聞き取り調査による主要魚種の産卵場等調査。

3.データベースの導入
データベース(Accessによる各種入力フォームの作成)、GISによる海底地形図の作成

4.データ解析手法の導入

5. 漁獲統計の改善
既存漁獲統計手法の改善、ニコヤ湾漁獲統計の編集

6. 資源評価委員会の設立
主要魚種の資源評価、漁業管理のための勧告

このうち、主な業績を簡単に説明すると、

魚類の年齢測定に欠かせない耳石研究は、当時、中央水産研究所の木村量博士、片山知史博士を短期専門家に迎えて技術移転が実施され、ニコヤ湾の重要魚種であるニベ類やフエダイ類の耳石観察手法がカウンターパートに移転されました。

Manual de anillos periodicos otolitos (R. Kimura)
Report on otolith observation (S. Katayama)

本研究は魚類の資源管理を実施するうえで不可欠な魚の年齢情報を提供する研究であり、当プロジェクトによりコスタリカではナショナル大学のみが実施しているため将来へのインパクトが期待される。
フエダイ類の耳石 カマス類の耳石 ニベ類の耳石

漁獲統計は資源管理の基本となる資料であり、不可欠な資料であるが、コスタリカ水産局では、これまで、商品カテゴリー別漁獲統計は作成していたものの魚種別漁獲統計は作成していなかった。プロジェクトではこれを改善し、商品カテゴリー別魚種組成を調査し、漁法別、魚種別漁獲統計を編集した。

Estadisticas pesqueras del golfo de nicoya, 1994-2005
Artisanal 1994-2005 monthly
Artisanal 1994-2005 annual
Shrimp trawl 1994-2005 monthly
Shrimp trawl 1994-2005 annual
Apendice 5.1
Apendice 5.2-5.3

最終目的である資源評価については、プロジェクト終了後もカウンターパート機関が持続的に実施できるようにカウンターパートと専門家による資源評価委員会を設立し、技術移転を実施した。なお、資源評価に関しては、東京大学の山川卓博士、平松一彦博士を短期専門家として迎え、データ解析技術や解析結果に関するアドバイスが行われた。そして、プロジェクト終了時にはエビ類とフエダイ類について資源評価結果に基づいた資源管理のための勧告を水産局長官に提出した。


エビ資源量の将来予測

フエダイ類漁獲量の将来予測

コスタリカの魚

コスタリカで見た日本ではなかなかお目にかからない魚たちの一部です。(エビトロールの混獲物を最初のリーダーであった藤田さんが撮影したものです)

Batrachoides boulengeri

Porichthys margaritatus

Brotula clarkae

Achirus scutum

Selene brevoortii

Peristedion barbiger

Calamus brachysomus

Paralonchurus dumerilii


by Kazuhito Hiramatsu
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