バヌアツの
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バヌアツのJICAプロジェクトから  −活動紹介−


シャコガイ・グローアウト・ファーム

オオジャコは世界最大の二枚貝で、殻は1メートルを超え、重さは数百キロにもなる。そして、寿命は100年を超えるといわれている。

バヌアツでは海岸付近にオオジャコの化石が多く見られるが、生きている野性個体を見ることはない。この現象はバヌアツのみならず熱帯太平洋各地で観察される。近年の研究では、彼らの生息環境が劇的に変化した6000年から4000年前に絶滅したという説が有力である。



バヌアツ水産局とノースエファテ(エファテ島北西部)地方の沿岸集落は、JICA「豊かな前浜プロジェクト」の支援のもと「シャコガイ・グローアウト・ファーム」活動を行っている。この長期にわたる取り組みは人工種苗を用いてバヌアツにオオジャコ個体群を復活させることを目的としている。トンガ政府水産省の好意により、20073月に500個体のオオジャコ若貝(オーストラリア系統、2.5歳)が同国からバヌアツに移入された。3ヶ月にわたる検疫を経て第一世代となるオオジャコ合計400個体がスナエ、タシリキ、マンガリリウの3ヶ所(後にレレパも合流)の浅海域に放流された。現在、これら4つのコミュニティーがオオジャコを所有し管理を行っている。




若貝が海底に安置された時点で、その平均的な大きさは殻長わずか1718センチであった。それが5年で約50センチまで育っている。接近して生活するこれらの個体は極めて長期にわたり天然再生産の中心として機能する産卵母集団の礎を形成すると期待されている。




オオジャコは一般に10年ほどで成熟するので、バヌアツ水産局により近いうちに現在の第一世代を使った人工繁殖も可能になると思われる。その急速な成長からバヌアツで最も商業養殖に適するシャコガイはオオジャコだと考えられる。人工採卵で得られる稚貝は養殖用種苗、そしてオオジャコが絶滅した他海域の資源再生用種苗として今後大いに利用されるだろう。





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